当選も確定し、いよいよ手腕が試されるジョコウィ次期大統領 (C)AFP=時事
当選も確定し、いよいよ手腕が試されるジョコウィ次期大統領 (C)AFP=時事

 7月9日に実施されたインドネシアの大統領選挙の結果がようやく確定した。選管である総選挙委員会(KPU)から公式の得票結果が発表されたのは7月22日のことであったが、そこで敗者となったプラボウォ・スビアント候補が、その結果を不服として憲法裁判所に提訴していた。その訴訟の判決が8月21日に言い渡されたのである。プラボウォの訴えは、9人の判事全員の一致した意見として、証拠不十分で全面的に棄却された。憲法裁判所による判決は最終の確定判決であり、これ以上選挙結果をめぐって法的に争うことはできない。プラボウォ自身はまだ悪あがきを続けているが、政治エリートも大方の 国民も、関心は当選したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ) の新政権へと移っている。

 今回の選挙結果をめぐる争いに最終的な決着をつけたのは、憲法裁判所という司法機関であった。日本人には耳慣れない裁判所であるが、近年民主化した国々では、良くも悪くも政治的に重要な役割を果たしている。今回は、インドネシアの憲法裁判所に注目しながら、民主化と司法の関係について報告する。

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