十一月に行なわれる米中間選挙まで三カ月を割った。大波乱が予想されている。一九九四年の中間選挙で大勝を収めて以来、ほぼ優勢を保ち続けてきた議会共和党もいよいよ年貢の納め時かという情勢だ。イラクばかりか中東全体を覆う混迷に打つ手もなく支持率低迷のブッシュ大統領に足を引っ張られ、共和党議員たちは苦戦を強いられている。 共和党は民主党に対し上院(百議席)で十一議席、下院(四百三十五議席)で三十議席の大差をつけているが、「きょうが投票日なら、どちらの党の候補に票を投じますか」という世論調査の質問で、民主党に十ポイント以上水をあけられているのが現状だ。個々の選挙区を見ると現職に強みがあり、なかなか世論調査通りというわけにはいかないが、「下院は逆転、上院もことによると」というのが大方の読みだ。 仮に両院とも逆転となれば、九四年の選挙の雪辱となろう。当時、「保守革命」を掲げるニュート・ギングリッチ下院議員率いる議会共和党は歴史的な中間選挙大勝で、医療保険制度の大改革などをねらうクリントン民主党政権のリベラル(進歩派)政治に「待った」をかけた。この後、同政権の進歩派路線は鳴りをひそめた。むしろ福祉政策の見直しへと進み、ついに「大きな政府の時代は終わった」と大統領自ら宣言するほど、保守にすり寄った。

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