降って湧いた「11.9衆院選」説:これだけの根拠

執筆者:野々山英一2014年9月17日

 永田町で急速に解散風が吹き始めている。9月29日に召集される臨時国会が始まってまもなく電撃的に衆院解散し、11月9日に投票日を迎えるというシナリオだ。

 つい1カ月ほど前まで衆院選のタイミングといえば、来秋か、再来年参院選とのダブルというのが常識だった。なぜ早いタイミングで解散風が吹き始めたのか。そのきっかけをつくったのは、意外な人物だ。

「私は11月9日が衆院選の投票日だと思っている」

 公の場で「11.9」を口にしたのは民主党の枝野幸男氏。9月8日、BSテレビ番組に出演し、そう明言した。

 

官邸は否定せず

 「11.9」説を唱えた枝野氏 (C)時事
「11.9」説を唱えた枝野氏 (C)時事

 民主党政権時代に党幹事長や官房長官を歴任。16日には再度、幹事長に選ばれ、党再建を託された人物ではあるが、しょせん野党の一議員に過ぎぬ枝野氏がどんな意図で発言したのか。諸説あるが、核心的情報を持って言ったのではなく、解散風をあおって民主党内を引き締め、野党再編を進めようとしたにすぎないとも見方も有力だ。だが首相官邸の中枢や自民党幹部も、この枝野説を打ち消さない。そのため、噂が噂を呼び「11.9」説がひとり歩きしているというのが実情だ。

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