七月五日のミサイル連射以来公の場から姿を消していた金正日が、平壌のロシア・中国大使館をそれぞれ八月二十三日と二十四日に訪問していたことがわかった。北朝鮮が核実験を行なう可能性に関心が集まる中、金正日は両国大使らと「多様な地域的、国際的問題」について長時間、議論したという。「熱のこもった対談は二時間半にも及び、六カ国協議の再開と北朝鮮の核実験の可能性も議論の的となった」と、あるロシア外交官は匿名を条件に語った。 金正日は、昨年アメリカが北朝鮮に科した金融制裁に「苛立って」おり、「アメリカが制裁を解除しない限り六カ国協議には復帰しない」と強調したという。その一方で、「二国間関係における全ての懸案を解決するために」アメリカと直接対話を行なう用意があるとも強調した。 この外交官は、年内に北朝鮮が地下核実験を行なう可能性について、「米政府が北に対する姿勢を変えなければ、可能性は極めて高い」とした。また、「アメリカを動かすためなら、北はミサイル発射よりさらに踏み込む決意がある」とも述べた。 金正日は誰が小泉首相の後を継ぐのか強い関心をもっており、対北強硬路線で知られる安倍晋三官房長官の首相就任を警戒していたともいう。

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