ネット証券でついに実現した夜間マーケット。“ミニ東証”ともいうべきこの市場がさらに拡大していけば――。「日本の株式取引所が変わる」という声も上がっている。九月十五日、カブドットコム証券の私設取引市場(PTS=Proprietary Trading System)がスタート。オークション方式による株取引を行なう、ネット証券会社内の夜間だけの証券取引所である。同社に続いて、SBIイー・トレード証券、SBI証券、楽天証券、オリックス証券が共同でPTSを始めると名乗りを上げれば、松井証券も売買代金の即時決済を看板に来春にも参入すると発表。一気にPTS時代に突入する。「変り種」の社長が実現 カブドットコム証券が金融庁からオークション方式による私設取引業務の認可を受けたのは七月十一日。二〇〇五年四月に施行された証券取引法の改正でPTSが可能になってから一年三カ月後である。オークション方式とは、売り注文と買い注文を合わせて売買を成立させるもので、東京証券取引所の仕組みとまったく同じ。カブドットコム証券社内につくられた“ミニ東証”といった方が分かりやすい。むろん、日本で初めての私設市場である。 同社の齋藤正勝社長(四〇)によれば、

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