経営トップ「突如辞任」も出た電力各社の断末魔
2014年10月14日
太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電力の新規受け入れを5つの大手電力会社が相次ぎ中断している問題で、各社が開く説明会では再生エネ事業者から怒号が飛んでいる。激昂するのも無理はない。騒動の口火を切った九州電力が新規受け入れ中断を発表したのは、実施前日の9月24日。2012年7月に施行された固定価格買い取り制度(FIT)を活用して億円単位の資金を発電事業に投じた企業の多くは中堅・中小クラスであり、売電中断は自社の死活問題になるからだ。
「再生エネ中断」に飛ぶ怒号
10月1-6日、九電は本社のある福岡をはじめ管内各県で説明会を開いた。約800人が詰めかけた熊本では、中断による損害にどう対処するのかを問い質した事業者に対し、九電担当者は「当社に法的責任はない」と繰り返し、「我々のような零細業者はつぶれてしまえということか」と会場の怒りを買った。発表が実施の前日だったことについては、「中断せざるをえないことは1カ月前にわかっていたが、事業者にどう説明するか検討していた」と信じ難い釈明。「もっと早く発表していれば救われた事業者もいたはずだ」という声がむなしく響いた。
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