吉田調書を読み解く(中)羽音におびえた「9割退避」
2014年10月20日
この桁外れの憤怒は、どこから湧いてきて、本当はどこに向けられたものなのだろう。
地震・津波から4日目、2011年3月14日夜から、福島第1原発で持ち上がった「全員撤退」騒動をめぐる、調書での吉田昌郎所長(当時、昨年7月死去)の発言は、驚くほど直截で激しい。
かいつまんで紹介する。
質問者「撤退という言葉を使いましたか」
吉田所長「使わないです。撤退みたいな言葉は、菅が言ったのか、誰が言ったか知りませんけれども、そんな言葉使うわけないんですよ」
質問者「今はあまり言っていないんですが、菅さんは、自分が東電が逃げるのを止めたんだみたいな」
吉田所長「辞めた途端に。あのおっさんがそんなのを発言する権利があるんですか。あのおっさんだって、事故調の調査対象でしょう。そんなおっさんが、辞めて、自分だけの考えをテレビで言うのはアンフェアも限りないんで、事故調の委員会としてもクレームをつけないといけないんではないかと」
質問者「この事故調を(菅直人元首相は)自分でつくっているんでしょう」
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。