沈痛な面持ちで支持者たちに大敗を謝罪する馬総統(C)AFP=時事
沈痛な面持ちで支持者たちに大敗を謝罪する馬総統(C)AFP=時事

 まさに「変天」(世の中がひっくり返る、という意味)という言葉がふさわしい。思えば、民進党が「歴史的敗北」を喫した2008年の立法院選挙から6年。あのときと同様、再び、台湾のメディアは、台湾政治におけるこの地殻変動を「変天」という言葉で言い表すしかなかった。

 11月29日に投開票が行われた台湾の統一地方選の結果を受け、同日夜に記者会見した馬英九総統は、「人民の声は、聞き届けた」と苦悶の表情を浮かべながら、絞り出すような言葉で、こうコメントするのが精一杯だった。

 国民党主席を兼務する馬総統は数日内の党主席辞任が伝えられる。馬総統に忠実な「政策の執行長(CEO)」と目された江宜樺・行政院長(首相)はすでに辞任を表明。ほかにも国民党陣営の幹部クラスが相次いで辞表を出し、国民党は大揺れに陥っている。

 翌30日の台湾の各紙の見出しには、こんな文字が躍った。

「国民党大潰走」「藍(国民党陣営を表すカラー。民進党陣営は緑)大崩壊」「人民は投票で馬英九に厳しい教訓を与えた」

 そう、国民党はまさに雪崩のような負けっぷりだった。

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