狭心症とカテーテル治療の真実

執筆者:髙本眞一2014年12月13日

 セカンドオピニオンという言葉が、人々の日常生活の中で聞かれるようになって久しくなりました。三井記念病院でもセカンドオピニオンを受け付けますと掲げていますし、私自身もセカンドオピニオンを求められた経験があります。ほかの病院でも、受け付けている病院を多数見受けます。

 しかし、実際には、セカンドオピニオンを聞きに来る方は、あまりいらっしゃいません。あくまで体感値ですが、ほかの医療機関でも同様ではないでしょうか。

 理由は、インフォームド・コンセントが比較的行われているからか、もしくは主治医との関係からほかの医師に意見を聞くのを躊躇するからかと推測します。

 かつて病院の外来の診察状況が「3分間診療」と揶揄されていました。日本ではフリーアクセス(紹介状なしに誰でも好きな病院を受診できる)が可能で、外来に何千人という患者さんが集まる大病院では、今も同様の状況だと思いますが、手術などでは、「これでもか」と言うほど丁寧な説明が当たり前になっています。また、もう1つ、最初に受け持ってもらった主治医への気兼ねから別の医師にセカンドオピニオンを聞きにくいということがあるかもしれません。

 インフォームド・コンセントという言葉が、アメリカから入ってきたため、アメリカではさぞやきちんとした説明がなされると思いきや、そんなことはありません。訴訟の国・アメリカでは、病院は、医療ミスなどで訴えられないように膨大な説明書を用意して患者や患者家族に渡し、説明は簡潔に、あとは説明書をよく読んで、サインをしてくれという態度です。

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