12月14日に投開票される衆院選は自民党および安倍晋三首相の作戦勝ちと言えそうな状況で推移している。大手新聞社、通信社、テレビ各局は世論調査の結果として、そろって自民党圧勝と報じている。

 

アベノミクスへの評価は低いが……

 12月9日、街頭演説をする安倍首相 (C)時事
12月9日、街頭演説をする安倍首相 (C)時事

 衆院が解散された11月21日、安倍首相は首相官邸で開いた記者会見で、今回の解散総選挙について、「アベノミクス解散だ。前に進めるのか、それとも止めてしまうのか、それを問う選挙だ。私たちの経済政策が間違っているのか正しいのか、本当に他に選択肢はあるのか。国民に伺いたい」と語気を強めた。今回の衆院選の最大の争点は安倍内閣の経済政策「アベノミクス」であると宣言したのである。これに呼応するように、一部のマスコミも「アベノミクス解散」という言葉を使用している。

 ところが、皮肉なことに実際にはアベノミクスは国民からほとんど評価されていない。世論調査の結果がそのことを如実に示している。

 世論調査で、安倍内閣の政策項目ごとの評価を尋ねると、安倍首相の得意分野と言われる外交や安全保障分野などの政策は比較的評価が高いものの、経済政策や地方活性化などのアベノミクス関連項目の評価は低い。

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