イランが国際テロ組織アル・カエダの指導権を掌握しようと画策しているとの情報がある。 パリの国際治安筋によれば、イランは十月から、アル・カエダの中で親イラン派とみられるメンバーを首都テヘランに集め、軍事訓練やテロ活動教育を施している。実際の訓練はイラン革命防衛隊の秘密組織の幹部によって行なわれているという。 イランで訓練を受けている親イラン派のリーダーはエジプト出身のサイフ・アル・アデルとみられ、同筋は「イランはアル・アデルらを積極的に支援し、アル・カエダの指導権を掌握することを狙っているようだ」と指摘する。 アル・アデルはかつてエジプト軍特殊部隊に所属していたことがあり、二〇〇一年の米同時多発テロに関与した容疑で米連邦捜査局(FBI)などが行方を追っている。一九九八年のケニア、タンザニアの米大使館同時爆破事件の主犯格だったともいわれる。 中東外交筋によると、アル・アデルはイラク内でテロ活動を指揮していた時、イラン革命防衛隊幹部と接触し、その後頻繁にテヘランを訪れるようになったという。パリの国際治安筋は「イランがアル・アデルを、オサマ・ビン・ラディンとその側近のアイマン・アル・ザワヒリに次ぐナンバー3に昇進させるようアル・カエダ指導部に迫ったとの情報もある」と述べている。

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