航空自衛隊が保有するF4EJ改戦闘機の後継機選びで、欧州共同開発のユーロファイターが有力候補として急浮上している。欧州製が採用となれば空自初だが、「米国が許すはずがない」との見方もあり、今後、紆余曲折が予想される。 防衛庁は老朽化したF4(九十一機)を新しい戦闘機と交替させる計画で、二〇〇九年までに計七機の配備を決定している。F2支援戦闘機の自主開発に失敗した教訓から早々と国内開発を断念し、外国からの導入候補としてF15X戦闘機、FA18E/F戦闘攻撃機、FA22多目的戦闘機、F35統合攻撃戦闘機(以上米国)、ユーロファイター(欧州共同)、ダッソー・ラファル(仏)の六機種が挙がっている。 最有力だったのが米空軍が採用しているFA22だが、ライセンスを得て国内で生産できる見通しが立たない。空自関係者は「輸入では十分な整備ができず、断念せざるを得ない」という。 FA22は米国内価格が一機百七十五億円で、仮にライセンス生産が可能になっても、開発料が上乗せされて二百六十億円程度に跳ね上がる。ちなみにF4は一機十七億円、高いと不評だったF2でさえ百三十億円だ。 次に有力なのがFA18E/Fだが、航続距離を延ばす改良がなされているとはいえ、いかんせん設計思想が古い。

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