据え置き型ゲーム機「Xbox」が日本で売れずに苦戦する米マイクロソフト。ゲーム機の日本国内シェアは一%程度と、ライバルの任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)には遠く及ばない。この七―九月期の決算でも、ゲーム事業全体では売上高こそ前年同期比七〇%増の十億三千万ドルとなったが、販促費がかさみ九千六百万ドルの営業赤字。 そこでマイクロソフトが検討中なのが、有力ソフト会社の買収。そのターゲットが人気ゲーム「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」を手がけるスクウェア・エニックス(スク・エニ)だという。時価総額は三千億円台のため「いつ買収の手が伸びてもおかしくない」(大手証券アナリスト)。 また、大株主は旧エニックス創業者の福嶋康博氏(現名誉会長)と同氏の財産管理会社で、約三〇%を占めるが「将来、福嶋氏の保有株をどう扱って事業継承するか定まっていない」(同)という。 この後継者問題を突いて「マイクロソフトがスク・エニ株式の取得を狙っている」(大手投資銀行幹部)という。スク・エニの大株主にはソフトの取引先であるSCEも名を連ねるため、「対抗上、SCEがスク・エニを傘下に収める可能性もある」(同)という。

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