1991年に独立して以来、ウクライナは「革命」と呼ばれる出来事を2度経験した。2004年の「オレンジ革命」と、今年のいわゆる「ユーロマイダン革命」だ。

「オレンジ革命」は、欧米の市民団体や国際機関の支援も得ながら、若者を中心とした大衆運動が強権政治を覆した、画期的な政変だった。もっとも、政治体制の変化に目を向けると、「革命」というより「改革」と呼ぶにふさわしいのは、フォーサイトの記事「ウクライナ『流血デモ』は『オレンジ革命』と何が違ったか」(2014年1月29日)で論じた通りである。「オレンジ革命」によって親欧米政権を担うことになったユーシェンコ氏は、革命前のクチマ政権で首相まで務めた人物であり、革命の前後で連続性が保たれているのは明らかであるからだ。

 今回の「ユーロマイダン革命」も、激動の2014年が終わりに近づいて振り返ると、やはり前と後との連続性が感じられる。5月の大統領選以降に政権を担うポロシェンコ大統領は、革命で打倒されたヤヌコヴィッチ政権で貿易経済発展相を務めたことがあり、ヤヌコヴィッチ前大統領の支持母体「地域党」の設立に参加した人物でもある。もともと激変志向の政治家ではない。

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