カラオケで利用する楽曲の著作権料徴収をめぐり、中国で混乱が起きている。中国国家版権局は十一月十日、「カラオケボックス一室あたり一日十二元(約百八十円)の著作権料を中国音像集体管理協会(音像集管協)が徴収する」と定めた「基準」を発表した。 だが各地のカラオケ業者たちは政府方針に反旗を翻している。「当協会の会員は国家版権局が定めたカラオケ著作権料に関する基準を受け入れることはできない」。広州市文化娯楽業協会(広州協)は十一月二十日、新制度に真っ向から反発。続いて上海娯楽行業協会の幹部が中国メディアを通じて反対するなど、十一月末までに北京や長春、西安、南京など十を超える主要都市の業界団体が、広州協に同調した。 事業者は支払い自体には同意するものの、新制度は「合法性に欠ける」と不満顔。音像集管協は十一月にはまだ設立されていない組織なので、「著作権者との契約も無い同団体が事業者へのヒアリングも無く、強制的に料金を決め徴収する権利は無い」(広州協)という。 版権局は「同基準は著作権に関する条例に基づき、多くの著作権者から委託を受けた中国音楽著作権協会(音協)が草案を作成した」と反論した。音像集管協は音協が設立を準備した団体で、八月二十一日から一カ月間、当局が同草案について意見を募集していたという。

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