昨年七月、腸内出血で手術を受けたキューバの独裁者カストロ国家評議会議長の健康状態をめぐり様々な説が飛び交う中、米国のマイアミに亡命中の同議長の娘が、このほど父親にまつわる映画制作の意向を急遽表明した。そのため、同議長の余命はあと半年ぐらいではないかとの観測が新たに浮上している。 映画づくりの話を明らかにしたのは、同議長とかつての愛人との間にできた娘で、マイアミ在住のアリナ・フェルナンデスさん(五〇)。彼女はカストロ議長から溺愛されたが、父親の政治スタイルに反発、一九九三年スペイン旅行中に亡命し、その後マイアミに移り住んだ。 フェルナンデスさんは九八年に父親との生活を回想した本を出版しているが、今年初め、この本を基にした映画の制作を行なう考えをマイアミのスペイン語メディアに明かした。 友人らの話によれば、フェルナンデスさんはキューバ在住の母親を通じ、カストロ議長の病状が重いことを知らされ、議長の存命中に映画を完成させる決意を固めたという。「今年夏までには完成させたい」と関係者にもらしたとされる。 本の刊行以来、父親の話を避け続けてきたフェルナンデスさんが突然こうした発言をしたことから、カストロ議長の余命「あと半年」説が飛び出したわけだ。

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