米ブッシュ大統領はイラク政策の失敗を認め、米兵約二万二千人の増派を表明した。それを待ち受けるかのように、隣国イランが「イスラム革命防衛隊」の特殊部隊を混乱の続くイラク内に送り込み、新たなテロ・ネットワークを組織したとの情報がある。 バグダッドの米軍情報機関筋によれば、このイランの特殊部隊は「アルクドス部隊」と呼ばれ、数カ月前からイラク国内のテロ組織と連携し、本格的な活動を開始した。 このネットワークを指揮しているのは、メフディ・モハンデスという人物。モハンデスは一九八〇年代の在クウェート米仏大使館爆破事件の首謀者だという。 アルクドス部隊はイランの首都テヘランの旧米国大使館ビルに本部を置き、そこからモハンデスらにイラク国内での活動を指示。密かに簡易爆弾(IED)などを製造し、イラク国内のテロ・ネットワークに資金と武器を提供して訓練しているとされる。 一方、テヘランの消息筋によれば、アルクドス部隊を直接指揮しているのはイスラム革命防衛隊の数人の准将。イラン南西部のアフワズに同防衛隊の秘密基地が置かれ、イラクから国境を越えて同基地を訪れるモハンデスに多額の資金が渡されているという。 アルクドス部隊によるテロ・ネットワーク結成については、米国在住のイラン反体制派グループも、その事実を確認している。

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