二〇〇七年秋、中国は五年に一度の中国共産党大会(第十七期)を迎える。党の新たな指導層の選出はもちろん、金融システムの一段の規制緩和に関する政策決定も要注目だ。中国は〇一年のWTO(世界貿易機関)の加盟条件に従い、昨年十二月十一日、ようやく外資に国内銀行業務を全面開放した。 金融政策で重要なステップは、二月十八日の旧正月の前後に予定されている「全国金融工作会議」だ。過去三十年間にわたる中国の経済改革のなかで、今回が三度目となるこの会合には、政治のみならず金融政策のトップも参加する。 複数の銀行関係筋によれば、この会合で、「外国金融機関との競争に国内勢が対抗できる状況にあるのか否か」を精査し、その“対抗策”を協議するのが大きな目的だとみられている。同筋は、次の五項目が、特に重要な課題として、討議に向けた準備が進められていると語る。(1)四大国有銀行の一つで、唯一株式公開を果たしていない中国農業銀行の再編。同行の自己資本比率を押し上げるには、巨額の資本注入が必要なため、農銀再編はこれまでも継続的に協議されてきた。一部では、上場で再建をめざす他三行の手法を採らず、農銀の解体を中国人民銀行(中央銀行)がすでに提案したとも噂されている。

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