かつて悪名をはせた中東のテロリストが、最近、再び活発に動き始めており、米欧の治安当局が神経を尖らせている。 このテロリストは、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの創設メンバーの一人だったイマード・マグニエと呼ばれる男。マグニエは一九八〇年代にレバノンで頻発した対米爆破テロや誘拐事件の首謀者。当時二度にわたって起きたベイルートの米国大使館爆破事件の主犯格で、イランのイスラム革命防衛隊とも深いつながりがあったとされている。 パリの国際治安筋によれば、数年前にロシア連邦のチェチェン共和国の武装ゲリラを指揮していると伝えられた後、消息を絶っていたマグニエが、昨年暮れ以来、ベイルート、シリアのダマスカス、イランのテヘランの三都市の間を行き来していることが確認されたという。 イラク駐留の米軍情報機関筋によると、マグニエは最近、イラクの反米強硬派ムクタダ・サドル率いるマハディ軍幹部とも接触したという。現在、米英仏三国の治安当局がマグニエに関する情報を交換し、分析を急いでいる。 前出の国際治安筋によると、「マグニエが米国とイランの軍事衝突を想定してテロ作戦計画を企んでいるとの見方もある」という。

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