スウェーデンのカジュアル衣料品専門店、ヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)は、高価格帯の新ブランド店「COS(コレクション・オブ・スタイル)」を世界各国で展開する。同じカジュアル衣料を手がける米ギャップやスペインのインディテックスの「ZARA」との競争が激しくなっており、ワンランク上の顧客層を取り込むための新戦略といえる。 H&Mはファッション性の強いパンツやブラウスなどの衣料を低価格で提供し、一九九〇年代後半から若者層を中心に人気を集めて急成長してきた。現在、二十四カ国に千三百店を出しており、二〇〇八年秋には東京・原宿に日本一号店を出す。〇六年十一月通期の売上高は前年同期比一二%増の六百八十四億クローナ(約一兆二千億円)。世界最大手のギャップ(約一兆九千億円、〇六年一月期)やインディテックス(約一兆五百億円、同)と競っている。 H&Mは「COS」ブランドの店を今春に英ロンドン中心部に出すほか、年内にドイツ、オランダ、ベルギーなど欧州の主要都市に合わせて十店開く。エリクセン最高経営責任者(CEO)によると、高級感を出し、価格も少し上げて顧客層を広げることが狙いという。H&Mはこれまでカール・ラガーフェルドなど著名デザイナーと組んで限定商品を開発しており、新ブランドでも同じ手法をとる可能性がある。

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