英国のウィリアム王子(32)が2月26日に来日し、3月1日までの4日間滞在した。妻のキャサリン妃は第2子妊娠中で夫妻での来日とはならなかったが、外国の要人としては初めて東日本大震災の被災地に1泊し、2日間にわたって被災者たちと交流して好印象を残した。

 ウィリアム王子は訪日中、東京都内の英国関連イベントにも出席したが、主たる訪問目的は2つだった。1つは英王室と日本の皇室の長い関係を踏まえた交流。2つ目が震災地訪問である。特に後者は王子の強い希望で、「被災者と会わないのでは訪日する意味がない」と側近に伝えていたという。

 皇室との交流では、天皇、皇后両陛下がお住まいの皇居・御所に招き、昼食をともにした。ウィリアム王子は御所の玄関に出迎えた両陛下に「またお目にかかれてうれしいです」「ご招待ありがとうございます」と英語であいさつし、握手した。両陛下はエリザベス英女王在位60年の2012年5月に訪英した際に王子と会っており、それ以来の再会だった。その後、王子は元赤坂の東宮御所を訪れ、皇太子ご夫妻とも懇談した。

 

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 しかしハイライトは1泊での被災地訪問だった。過去、被災地を訪れた外国首脳はそこそこいる。しかし福島第1原発の放射能汚染が世界で取り上げられている時、福島県内に1泊した要人は私の記憶ではいない。しかもウィリアム王子は王位継承第2位である。

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