経営権を巡って父である会長と娘の社長が激しく対立し、異例の委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)にまで発展していた大塚家具。3月27日に開かれた株主総会では、結局、大塚久美子社長が会社側提案として出していた取締役選任議案が可決され、大塚勝久会長が株主提案として出していた取締役候補は否決された。終始、上場企業としてのコーポレート・ガバナンス(企業統治)のあるべき姿を訴え続けた社長側が、株主の支持を得た格好だ。今回の大塚家具問題とは何だったのか。総会翌日の28日に筆者の単独インタビューに応じた大塚久美子社長の話をベースに検証してみよう。

 

予想以上の大差

大塚久美子社長:お陰様で、会社側提案が出席議決権の61%の賛成を得て可決されました。大塚家の保有株を除くと80%以上の株主の皆様のご支持をいただいたことになります。今回の騒動について心よりお詫びすると共に、深くお礼を申し上げます。

 

 取締役7人のうち4人の賛成で提出された会社側議案には、取締役候補に勝久会長の名前はなく、事実上の引退を迫っていた。また、会長支持に付いた長男で専務の大塚勝之氏の名前もなかった。一方、勝久氏が株主提案として出した候補者名簿には、逆に久美子氏の名前はなく、真っ向から対立する構図だった。

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