2000年代初頭にアフリカ経済が急成長を始めて以降、主要ドナー諸国のアフリカ諸国への影響力に陰りが見えはじめた時、入れ替わりに破竹の勢いで影響力を増大させたのが中国だった。アフリカ諸国のニーズが「援助」ではなく「投資」であることを鋭く嗅ぎ取り、資金供給に際して「人権」「環境」「透明性」などの条件を課さず、見返りに必要な資源を確保していった。

 アフリカの中には、こうして中国から引き出した資金を梃子に目覚ましい経済発展を遂げた国がある。その典型として、しばしば名が挙がるのがスーダンとアンゴラである。3月初旬、そのうちの1つアンゴラで日本企業を対象にしたアンゴラ政府主催のビジネス・フォーラムがあり、これに出席するとともに、同国の政治経済情勢について調査してきた。

 

スパゲティ5000円!

 アンゴラ訪問は8年ぶり3度目だったが、首都ルアンダの街は高層ビルの建設ラッシュで、相変わらず凄まじい交通渋滞であった。街は欧州の超高級車で溢れ、宿泊したホテルのレストランで一番安いメニューであるスパゲティ(カルボナーラ)は、日本円に換算すると約5000円だった。ちなみにホテルは、スイートではない普通の部屋でも、1泊1人5万円以下で宿泊するのは困難である。

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