そのアル・カエダと関係の深い東南アジアのテロ・ネットワーク「ジェマア・イスラミア(JI)」が、これまでの爆弾テロ路線を変更して、要人暗殺を念頭に作戦を練っている可能性の高いことがわかった。 これは今年初めからインドネシア治安当局が摘発したJIのメンバーの供述などにより判明したもので、ジョクジャカルタで逮捕されたメンバーは、中部ジャワ州サラティガにあるキリスト教系大学の学長や、中部ジャワの高等検察庁検事長の暗殺を計画していたことを自供、その後の捜査などからも「VIP対象の暗殺」計画の存在が明らかになったという。 米国やオーストラリアから圧力を受けて、インドネシア治安当局は治安維持対策を国際社会に示すためにJIメンバーの摘発と組織解体に取り組んでいるが、JIの側でも、バリ島やジャカルタでの自爆テロでイスラム教徒の一般市民が犠牲になったり外国人観光客を巻き添えにしたことを問題視。捜査網の強化と資金難によって強力な爆弾の入手や製造が難しくなってきたこと、さらに自爆テロ要員が確保できないなどの理由もあり戦術転換に出たとインドネシア国家警察は分析している。 国家警察によると、現在のJI構成メンバーは約九百人で、入手が容易な小型爆弾や銃による暗殺の訓練を密かに行なっている模様だ。

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