このほど死去した横山ノック前大阪府知事。ドタバタ悲喜劇ばかりの人生かと思いきや、実は、米情報機関が注目した裏の行動があった。 一九九六年八月シカゴで開かれた米民主党大会に「横山ノック知事が出席する」という情報を、米中央情報局(CIA)が、日本側のカウンターパートに問い合わせてきたことがあった。結局その時は彼の訪米は実現せず、日米の情報機関が監視に動くことはなかった。この民主党大会は、クリントン大統領を大統領候補に難なく再指名した。 ではなぜ、米情報機関は横山ノック氏の訪米に注目したのか。「アーカンソー州知事時代以来のクリントン前米大統領との関係に秘密がある」と在京国際情報筋は言う。 同筋によると、横山ノック氏は参議院議員時代、北朝鮮系商工団体幹部に頼まれ、クリントン知事支援に手を貸した。献金したとも言われる。横山氏は九三年クリントン氏の一期目の大統領就任式に出席したという。 横山ノック知事自身、クリントン大統領との関係に触れた発言をしたことがある。九五年十一月大阪で、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が開かれる前のことだ。 当時「大阪を大いに売り込みたい」と張り切っていた知事は、質問を受けて、「クリントン大統領に『私の顔を覚えてますか』と聞いてみるつもり。『知らん』言われたらどうしよう」と答えている。残念ながら、ワシントンは米議会の予算審議が紛糾して連邦政府窓口が閉鎖される異常事態に至り、クリントン大統領は会議を欠席、代理でゴア副大統領が出席した。

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