安倍晋三首相が昭恵夫人と四月二十六、二十七日の両日、初訪米した。首相就任から七カ月。満を持しての訪問だった。 安倍首相を迎える米国政府には、この訪問を、両首脳が北朝鮮の核、温暖化対策、イラク復興問題などの幅広いテーマについて突っ込んだ意見交換をする一方、くつろいだ中で個人的関係を深める機会にしたいとの狙いがあった。 ブッシュ大統領と親密な関係を築いた前任者の小泉純一郎首相は、訪米の度に手厚いもてなしを受けてきた。安倍首相が前任者と比してどのようなもてなしを受けるか日本の世論が注視していることも、米当局者の念頭にはあったはずである。 初日は首都ワシントンで、翌日はキャンプデービッド山荘でもてなすという手の込んだ日程が組まれた。また制約の多い儀礼・儀式はアーリントン国立墓地の献花など最小限にとどめられ、ホワイトハウスの公式饗宴も省かれた。その代わりブッシュ大統領夫妻が私的な夕食会を開くことになった。 安倍首相夫妻の宿泊先は迎賓館「ブレアハウス」。初日の夕刻、ブッシュ大統領夫妻はわざわざ迎賓館に安倍首相夫妻を迎えにいき、ホワイトハウスまで案内した。極めて異例のもてなしである。四人は一時的に閉鎖されたホワイトハウス前の道路を談笑しながら歩いた。

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