大手生命保険会社の三井生命保険をめぐる再編観測が再び高まっている。 三井生命については、昨年も外資系生保による買収説が流れた。仏大手で世界でも屈指の保険グループ・アクサの名前が取り沙汰されたが、「三井側の抵抗」(大手生保幹部)で立ち消えになっていた。 そして、ここにきて金融界でささやかれているのが、これもまた数年前に一度噂に上った、住友生命保険との経営統合観測だ。もともと両社は三井住友銀行などと同じ三井住友フィナンシャルグループに属すが、生保危機への対応で「合併どころではなかった」(住友幹部)。 景気回復で経営環境は改善したものの、三井生命の脆弱な財務基盤、営業力が改善されたわけではない。住友生命も大手四社の一角とはいえ、日本生命や第一生命には水をあけられたままで、今後の生保業界の競争激化での生き残りに不安を残す。 住友生命は今年、社内でのカリスマ性のみならず、生保業界でも「異端児」として存在感を放っていた横山進一氏が会長に退いた。「あとはやはり長期政権となっている三井生命の西村博社長が退けば、話はまとまりやすくなる」(業界関係者)。相互会社から株式会社化した三井生命を追って、住友生命も数年内に株式会社への移行を検討しているとされ、合併の条件は整うことになる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。