「自民42以下」なら首相退陣

執筆者:2007年8月号

 この号が読者の手元に届いてから参議院選挙の投票日まで十日ほどなので予測などしないほうが賢明だろうが、衆議院で七割(定数四八〇のうち自民三〇五、公明三一)の議席を占める与党が、参議院で過半数維持どころか、与野党逆転の憂き目にあいそうなので、あえて書くことにする。 結論からいうと、与党、とくに安倍自民党はぬかるんだ泥んこ道の轍にはまってしまい、選挙目当てに打った手がことごとく裏目に出て、自ら負け急いでいるようにしか見えない。まず、ほとんどの問題で対応が遅れる。波紋が広がり、選挙に影響しそうになると、説明すればわかる、とばかりに安倍首相自らテレビ局へ乗り込み、この人こんなにおしゃべりだったか、と視聴者が驚くほど饒舌に自らの成果を強調する。 年金データが宙に浮いた事件、松岡利勝農水相の事務所経費問題と自殺、久間章生防衛相の「原爆しょうがない」発言と辞任、そして執筆段階では辞任していないが、赤城徳彦農水相の事務所経費問題。本間正明政府税調会長の公務員宿舎不正使用問題のときも、佐田玄一郎行革担当相(辞任)の政治資金処理問題のときも、そして柳沢伯夫厚労相の「女性は子供を産む機械」発言のときも、安倍首相は「問題はない」としてかばった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。