米ダウ・ジョーンズ社の買収を図るメディア王、ルパート・マードックの比ではないが、SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役(五六)が株式新聞社を傘下に入れた。具体的には、SBIグループの一員で投資信託の格付け会社であるモーニングスターが株式新聞の第三者割当増資を引き受け、五二・三%の株式を握るもので、北尾氏も取締役に就任。今秋にも新興市場のヘラクレスに上場させる予定だという。 株式新聞は日本証券新聞、株式市場新聞と並ぶ証券新聞で、「兜町の朝日新聞」などと呼ばれたこともある。だが、バブル崩壊後、それまで大口の購読者だった証券会社が経費節減で購読を停止したのに加え、バブル時代に新本社を建設したのが祟り、民事再生法の適用を申請して倒産。その後、ロイター通信やNTTドコモに株式情報を配信する業務を開拓したことによって再建している。 北尾氏がこの株式新聞を入手したことで、早速、兜町雀は「ネットのSBIホールディングスが実物を持ちたかったのではないか」「新興事業ばかりの北尾氏もブランドが欲しかったのだろう」と噂する。さらに「すでに株式新聞の最終面はモーニングスターの投資信託評価に変わった。北尾氏の本業は投資業務だけに新聞を使って特定の株価を煽りかねない。ファイアーウォールが心配だ」と危惧する声もある。

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