海上自衛隊の横須賀基地を訪問した中国の曹剛川国防相に同行した中国報道陣が対岸の米軍基地を撮影し、海自側から注意を受けていたことが分かった。この問題は産経新聞が「横暴な中国報道陣 国防相同行 潜水艦隠し撮り」との見出しで自衛隊の被害として報じたが、実態はさらにひどかったようだ。 海自関係者によると、曹国防相は海自の最新鋭護衛艦「たかなみ」に乗艦。中国報道陣も同乗し、艦内をつぶさに撮影した。ここまでは海自も了承済だったが、問題はこの後。ビデオカメラを対岸にある米海軍横須賀基地に向け、停泊している巡洋艦や駆逐艦の撮影を始めたのだ。海自側が撮影をやめるよう前に出て両手を広げると、制止を振り切り撮影を続けたという。 海上自衛隊は、米海軍から提供を受けたイージス護衛艦の極秘情報を流出させたとして米政府から猛烈な抗議を受けたばかり。中国のテレビで米軍基地の映像が流れる事態になれば、日米関係にも影響しかねない。 この日、曹国防相に同行した中国報道陣は新聞・テレビの五社八人。海自関係者からは「制服を着てビデオを回し続けた中国軍幹部と思われる人物もいた。軍幹部には抗議もできず、この人物はずっと米軍基地を撮影していた」との証言もある。

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