「安定した成長」を続けるだけでは、日本は米中に置いていかれる。構造改革を進めるためには、何をすべきかを見極めなければならない。それが「大状況的政策マーケティング」だ。 福田首相の下で、構造改革は本当に続行されるのか。もし、続行する意思と能力を新内閣が備えているなら、何をなすべきか。五年五カ月、小泉内閣で改革の先頭に立ち続けた竹中平蔵元総務大臣に聞いた。――新政権の課題として「政策マーケティング」をすべきだと説いておられます。竹中 民主主義社会においては、たとえどんなに良い政策であろうとも、国民に具体像が見えなければ、あるいは多くに反対されては長続きしません。そのために政策の優先順位を決めるマーケティングが必要です。ただ、これには「大状況的マーケティング」と「小状況的マーケティング」の二種類がある。前者は、大きな変化の流れを作り、社会の体質を変えていくようなもの。小泉内閣の郵政民営化や不良債権処理がこれに当たります。後者は、困っている人に配慮し、助けるためのもの。たとえば、その是非はさておき、高齢者の医療費負担増の凍結といったものです。福田内閣はいまこれを検討していますが、私は大状況的マーケティングをやって欲しいのです。

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