安倍晋三首相が辞任を決意した理由のひとつは健康問題にあったが、その“引き金”になったのは八月十九日から二十五日までのインドネシア、インド、マレーシアへの訪問だった。その前から体調は悪かったが、首相周辺の証言によると「この三カ国歴訪でひどく腹を下してしまい、体力が急速に消耗した」という。 安倍首相はもともと胃腸が弱く、カレーなど香辛料や刺激のきつい料理は避けていた。しかしよりによってイスラム、ヒンズー文化の三カ国は、料理に香辛料をたっぷり使い、トウガラシなど刺激のあるものが多い。体調不良のところにもってきて苦手な料理。それも昼夜と続く饗宴。体調が悪化したのも当然といえば当然だ。 ではどんな料理が出たのか。最初の訪問国インドネシアでは到着翌日の二十日夜、大統領官邸でユドヨノ大統領主催の歓迎晩餐会が開かれたが、メニューは次のようなものだった。 バリのチキンサラダと魚肉のピーナッツソース和え、ウナギのミルフィーユ仕立て 豆モヤシの入ったインドネシア伝統のチキンスープ チリ産スズキのテリヤキ、オムレツライスと野菜添え 野いちごとオグラ・アイスクリームをはさんだセラビ・ソロ コーヒー、もしくは紅茶

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