李明博前ソウル市長(ハンナラ党)の独走かとみられた韓国大統領選挙(十二月十九日)。土壇場になって李会昌元ハンナラ党総裁が無所属立候補を表明し、保守分裂の事態となった。李会昌陣営は今年初めから大統領選挙用のホームページを準備するなど水面下で準備を進めており、狙いすました出馬だ。 過去二回候補となり敗れた李会昌氏は今回も勝ち目は薄いと見られる。韓国政界では、最高裁判事も務め司法界に人脈を持つ李会昌氏の出馬は「李明博氏が(韓国の投資会社)BBKをめぐる株価操作疑惑で“落馬”すると確信しているから」との見方が出ている。二〇〇四年に米国で逮捕されたキム・ギョンジュンBBK元代表の十一月中の帰国を待ち、捜査が再開される予定。十一月下旬には検察総長が交代するため、その影響も注目されている。こうした動きに、韓国政界では「キム氏は与党側と『BBKの実質オーナーは李明博氏』と証言する代わりに自分の処罰を軽くする取引をしている」「いや、李明博氏の勝利を見越し不利な証言はしないはず」など情報が錯綜。一方、革新与党側はこうした動きを横目に、候補を一本化すべく調整を進めている。

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