中央アジアの地域大国ウズベキスタンに十七年間君臨してきたカリモフ大統領が、十二月二十三日の選挙で三選禁止の憲法規定を事実上踏みにじり、さらに七年の任期を手中にする。 治安機関は、既に反体制派を根こそぎ獄に投じ、新聞、テレビも完全に統制下に置いた。さらに、ウクライナやグルジアの民主化でインターネットが重要な役割を果たしたことを教訓に、国営IT(情報技術)企業ウズインフォコムをネット上の秘密警察に再編、サイバー空間の支配にまで乗り出した。 同社が野党系や海外サイトへのアクセスを妨害するなか、ネットカフェでは閲覧するサイトを事前申請させる制度も導入された。利用客が海外の情報をダウンロードできないよう、USBメモリーの差込口をふさぐ念の入れようだ。以前は、企業向けのプロキシサーバーを使えば野党系サイトにもつながったが、それも困難になった。 これまでカリモフ大統領は、強引に任期延長するにも、国民投票などの手続きを一応踏んできた。だが、今回はそれさえもなく、情報統制は強まるばかりだ。

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