十一月六日、インド洋モルジブ共和国のヒマンドゥ島で、剣や鉄棒で武装した覆面集団九十人と地元兵士百人との間で衝突が起きた。周囲七百五十メートルのヒマンドゥ島には五百八十三人の住民しかいないが、以前からワッハーブ派イスラム原理主義者の温床として知られていた。複数の情報筋によると、この島は二〇〇六年秋から冬にかけて、南アジアや東南アジアからアフリカのソマリアに向かうイスラム義勇兵の中継地として使われていたという。 衝突があったのはダー・アル・クイア・モスクで、ここには九月二十九日に起きたイスラム過激派によるテロ事件に関与したとされる活動家が少なくとも二人匿われていたという。首都マレで起きたこのテロ事件では十二人の外国人が負傷した。 地元警察によると、テロ活動資金を提供していたのは、パキスタンとイギリスのイスラム系NGO(非政府組織)で、ひとつはアル・カエダとも関係するパキスタンのテロ組織「ラシュカレトイバ」と関係の深いNGOだという。モルジブには無人島が数多くあるため、アル・カエダが訓練施設として活用するだけでなく、洋上で大規模テロを企てる際の拠点としても使われる危険があるという。

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