昨年暮れに起きたパキスタンのベナジル・ブット元首相暗殺事件に、国際テロ組織アル・カエダの指導者オサマ・ビンラディンの息子が関与した可能性が囁かれている。 ブット氏が率いたパキスタン人民党(PPP)筋によれば、ブット氏は昨年十月の帰国直後にカラチで起きた自爆テロの犯行グループが再び自分の命を狙っていると、暗殺事件発生の直前、家族や側近らに話していた。 また、ブット氏は昨秋の帰国直前、以前から親交のあった米国人ジャーナリストにeメールで、パキスタンの「赤いモスク」に立てこもったイスラム原理主義グループやオサマ・ビンラディンの息子であるハムザ・ビンラディンらから暗殺の脅しを受けていると伝えていた。 PPP筋は「ブット氏はカラチで自爆テロの難を逃れた後、このテロはアル・カエダの仕業と確信し、次に自分の身に何か起きた場合にはハムザの仕業だと思ってほしいと漏らし、自分の手元には確たる情報があると語っていた」と述べる。 もっとも、ブット氏殺害に関しては、ムシャラフ政権の関与説を始め、さまざまな情報が乱れ飛んでおり、ハムザ犯行説についても、何らかの意図の下に流布されている可能性は捨てきれない。

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