韓国を率いる「李明博」を待つ多大な期待

執筆者:草生亜紀子2008年2月号

[ソウル発]「実用主義」をモットーとする「CEO(最高経営責任者)大統領」になると期待される李明博氏が、二月二十五日、韓国大統領に就任する。盧武鉉政権からの事務を継承する政権引継委員会委員長には淑明女子大改革で名を上げた李慶淑総長が指名され、十年ぶりの保守政権発足に向けた準備は着々と進んでいる。 三十六歳にして現代建設社長に就任し、ソウル市長となってからは市中心部の清渓川を再生させるなどの実績を誇る李氏は、選挙戦で「経済再生」を公約に掲げて勝利しており、新政権には、伸び悩む韓国経済を再活性化してくれるという過剰なまでに大きな期待が寄せられている。 それだけに李新大統領は、就任早早から、人々の目に見える「成果」を示す必要に迫られる。というのも、四月にはすぐ総選挙が予定されており、李政権の与党ハンナラ党が敗北すれば、いかに大統領の権限が大きい韓国とはいえ、政権運営は厳しいものになるからだ。「新大統領はいちばん厳しい時期に就任することになるかもしれません」と心配するのは、三星経済研究所の鄭求 鉉所長だ。「アメリカのサブプライムローンの焦げ付き問題は、二月から三月にかけてさらに大きくなる可能性があり、当然、その余波は及んでくる。加えて、アメリカほどではないが、韓国版サブプライム問題も存在する。盧武鉉政権の五年間は世界の経済状況が全体として良かったから韓国も救われたが、二〇〇八年以降はそうもいかない可能性がある」

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