欧米の投資銀行のインド事業が加速している。背景にあるのは、インド企業による外国企業のM&A(合併・買収)の急増だ。 二〇〇七年は、タタ製鉄による英蘭コーラス買収(百二十一億ドル)やアルミ大手のヒンダルコによる米ノベリス買収(六十億ドル)など大型の案件も目立ち、買収総額は三百五十億ドルを超えたと見られる。欧米勢は、こうした取引の仲介で巨額の手数料を稼いでいるのだ。 昨年五月に金融情報企業トムソン・フィナンシャルが発表した一―四月分のランキングによれば、インド関連のM&Aで一位につけたのはスイス系のUBS。ヒンダルコのノベリス買収や酒類大手ユナイテッド・スピリッツによる英ホワイト&マッカイ買収を手がけた同社は、この期間に八件のM&Aを成立させ、計一億九十万ドルの手数料と二三・四%のシェアを得た。 これに続くのがモルガン・スタンレー(シェア九・二%)とゴールドマン・サックス(八・五%)の米国勢で、手数料収入はそれぞれ三千九百九十万ドルと三千六百九十万ドル。また、四位以下も米シティグループ、ドイツ銀行、米ラザード、蘭ABNアムロなどが並び、トップ10は外資勢が占めた。

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