ともに接戦で始まった米大統領予備選

執筆者:リンダ・フェルドマン2008年2月号

オバマが勝てばクリントンが返し、共和党も本命不在。特に注目は優位に立つ民主党の選択だが……。[ワシントン発]米ニューハンプシャー州の予備選では、ヒラリー・クリントン上院議員の選挙参謀でさえ敗北は免れないと思っていた。 投票日前日の一月七日、参謀たちは浮かない顔で戦略の練り直しを議論し、今後いくつかの州の予備選を諦めてでも力を集中した方が良いのではないかと話し合っていた。世論調査と同じく内部調査でも、一月三日のアイオワ州党員集会で九ポイントの差でクリントンを破って以来、ライバルのバラク・オバマ上院議員の勢いは止まらず、一〇ポイント以上の差をつけてニューハンプシャーでも勝つと予想されていたからだ。そうなれば、クリントンの闘いは終わったも同然だったかもしれない。 だが、女性有権者の支持を集めて元ファーストレディは復活、レースに踏みとどまった。とはいえ、ここでのリードはわずか二ポイントで勝負はデッドヒートのまま。ただひとつ確かなのは、どちらが勝つにせよ、民主党は初の女性大統領候補と黒人大統領候補の間で、歴史的な選択をするということだ。 共和党に目を転ずると、こちらの勝敗の行方はますます混沌としてきた。前アーカンソー州知事で牧師出身のマイク・ハッカビーは宗教保守派の支持を集めてアイオワで勝利したが、二〇〇〇年に続いて再びニューハンプシャーを制したのは、党内でもわが道をゆくタイプのジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)だった。一月十五日のミシガン州の予備選では、元同州知事の息子で前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニーが優位と目された。

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