統一地方選は4月26日、後半戦(市区町村長、市区町村議会議員選挙)が投開票(一部翌日開票)されて幕を閉じた。今回の選挙は国政に直結するようなものではなかったとはいえ、今後の中央政局を占うにあたって示唆に富んだ結果になった。

 

 統一地方選は与野党相乗り候補が多い。政党公認候補と異なり、中央政界からの拘束を受けにくい政党推薦候補も多く存在している。このため、政党と候補者の支持関係があいまいで、日本全体ではどの政党が勝ったのかという勝敗を断じにくい。また、中央政界の影響を受けにくい候補者が多い選挙であるということは、逆に言えば、選挙結果が中央政界に与える影響も小さい。
 県議や市町村議が国政選挙では支援部隊の役割を果たすのだから、地方議員の数が将来の衆院選や参院選をも左右するのだという識者もいる。それはその通りなのだが、これも「ニワトリと卵」の関係のようなもの。国政選挙を有利に戦える力がある政党が地方選でも優勢だったというだけのことである。
 これに対して、国政での弱小勢力がなぜか地方選挙だけは大勝利して、国政を動かしたという例はあまり聞いたことがない。マスコミはことさら選挙結果を大きく報じ、「地方の声」「民意」とあおるが、東京都知事選、大阪府知事選、沖縄県知事選、東日本大震災の被災地の首長選などの国政の重要問題にかかわる選挙があれば、それくらいの重大性もあるだろうが、そうした選挙は今回実施されなかった。今回の統一地方選の結果が国政に重大な変化をもたらすことは考えにくい。

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