現在、私たちの生活にはサプリメント(栄養補助食品)が溢れています。スーパー、コンビニでもネット通販でも、いつでも誰でも手軽に手に入れられます。種類も豊富で、それぞれ様々な効能が謳われています。中には毎日複数のサプリメントを摂取する人も少なくありません。

 しかし、それらのサプリメントは本当に健康に有効なのでしょうか。そもそも安全なのでしょうか。

 そうした問題について、米国ではここ数年、様々な議論が行われ、研究も進められています。そしてそれらは、日本にも多大な影響を与えています。

 折しも日本では4月1日、健康にどのような効果があるかを食品に表示しやすくなる「機能性表示食品」という新しい制度がスタートしました。米国での議論を辿りながら、この新制度について考えてみます。

 

「お金の無駄遣い」

「Enough Is Enough: Stop Wasting Money on Vitamin and Mineral Supplements(もう十分なのでいい加減にして下さい。ビタミンやミネラルのサプリメントにお金の無駄遣いをするのはやめましょう)」という米ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らによる論文が、2013年に米国内科学会誌『Annals of Internal Medicine:AIM』に掲載されました。同誌は国際的にも非常に評価が高く、影響力のある医学雑誌です。

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