「犠牲の対象」は自衛隊員だけではない

執筆者:林吉永2015年8月3日

 今日、自衛隊の武器、航空機、艦船、戦闘車両、通信電子機器などの装備は、コンピューター技術やICT(情報通信技術)の発達によって高度に精密化されている。これら装備を駆使して行う作戦運用もまた、システム化された高性能末端機器に依存している。この運用システムは、総じて“C4ISR”(Command-指揮・Control-統制・Communication-通信・Computer-計算機・Intelligence-情報・Surveillance-監視・Reconnaissance-偵察)システムと称している。

 アメリカでは同様のシステムが地球規模に存在して、“NCW”(Network Centric Warfare)システムとして、兵士個々のウエアラブル・デバイス(装着末端機器)に至るまで統制、機能させている。NCWは、C4ISR機能だけではなく、“KCW”(Knowledge Centric Warfare-地理/言語/文化/歴史などの知識提供)および “ICW”(Information Centric Warfare-軍事に特化したデータベース提供)を含むネットワークである。

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