インドネシアのジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は8月12日、政権発足後わずか10カ月で内閣改造に踏み切った。経済関係を中心に6つのポストで閣僚の交代が行われた。

 当初、内閣改造を最も積極的に主張していたのは、与党第1党でジョコウィの出身政党である闘争民主党(PDIP)だった。同党はそもそも内閣発足時から、配分された閣僚ポストの少なさに不満を持っていた。また、ジョコウィが大統領府を強化するため大統領直属の閣僚ポスト(国家官房長官、内閣官房長官、国家開発企画大臣)や大統領補佐官に任命していた腹心の学者らに対して、同党からは、党と大統領の意思疎通を意図的に妨害していると不快感が示されていた。4月に入って経済の低迷が鮮明になってくると、同党幹部からはパフォーマンスの悪い大臣を名指しして閣僚の入れ替えを求める声が高まった。大統領府強化の動きで自身の役割を奪われるとの危機感を持っていた副大統領のユスフ・カラも、これに同調する動きを見せた。

 

予算執行率わずか12%

 これに対してジョコウィ大統領は、閣僚の働きは常にチェックしていると、内閣改造には必ずしも前向きではなかった。

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