大行進のあともテロは続いている……(C)AFP=時事

 

『シャルリー・エブド』襲撃事件から立てこもりに至るテロが一段落した1月11日、言論の自由擁護を訴える数百万人規模のデモがフランスで催された。パリの行進には、各国の首脳を含む100万人あまりが参加した。大統領のオランドは「テロとの戦争」を宣言し、中東に空母も派遣するなど強い対決姿勢を示した。2001年の米同時多発テロからイラク戦争に突き進んだ米ブッシュ政権の二の舞いかと心配されたが、現在のところオランド政権はそこまで愚かではないようだ。国内での警戒態勢を最高レベルに高めつつ、比較的常識的な外交姿勢を保っている。

 欧州ではこの後、クアシ兄弟やクリバリを真似たと見られるテロや未遂が相次いだ。2月3日には、南仏ニースのユダヤ教関連施設で、警備に当たっていた兵士に男が刃物で切りつけ、けがを負わせる事件が起きた。2月14日から15日にかけては、コペンハーゲンで「イスラム教と表現の自由」をテーマに開催された集会が銃撃され、近くのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)でも発砲があり、計2人が死亡する事件が起きた。容疑者の男は射殺された。6月には、フランスでイスラム過激派の男が運送会社の社長を殺害し、リヨン郊外のガス工場を襲撃する事件も起きた。ユダヤ教徒向けスーパー「イペール・カシェール」立てこもり事件を起こしたアメディ・クリバリの妻アヤト・ブメディエンヌらの呼びかけが功を奏しているのだろうか。

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