国連気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)がフランス・パリ近郊のルブルジェで開幕(11月30日)したその夜、オランド大統領はオバマ米大統領をパリ市内の3つ星レストランに招いた。両首脳のパリ市内のレストランでの食事会は昨年6月に続き2回目だが、興味深いのはレストランの選択である。

 オバマ大統領は昨年6月、ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典に出席のために訪仏。式典前日の夜、パリの凱旋門に近い1つ星レストラン「シベルタ」でオランド大統領のもてなしを受けた。

 なぜ「シベルタ」になったのか。それはまずもってエリゼ宮に近いことが優先されたからだった。この夜、オランド大統領はオバマ大統領と食事をした後、エリゼ宮にとって返し、やはり記念式典出席のため訪仏していたプーチン露大統領との夕食会に臨まなければならなかった。

 当時、ロシアはウクライナのクリミア半島を併合し、米露は犬猿の仲。本来は米仏露の3首脳が1つのテーブルを囲めばすむところを、米国がプーチン大統領との同席を拒否。ホストのオランド大統領は夕食を2度とらざるを得ないハメになった(この模様は昨年6月16日の本連載第193回「『一夜で2回の夕食』オランド仏大統領の苦肉の策」で取り上げた)。

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