アフリカはどうすれば「離陸」できるのか

執筆者:平野克己2008年4月号

資源高騰で急激な経済成長を遂げつつあるのに、いまだ改善されない貧困。その最大の原因は近代化が大幅に遅れた農業にある。 今年は日本のアフリカ観とアフリカ政策が、国際的に注目を集める年になる。五月に日本政府主催の第四回アフリカ開発会議(TICADIV)が開催されるのみならず、七月のG8北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)ではアフリカ諸国が参加する拡大会合も予定されているからだ。ここ数年、G8サミットでは毎回アフリカ問題が議論され、議長国は対アフリカ政策をとりまとめなければならない。したがって、それに先立つTICADにも実質的な成果が求められる。 日本と関係の深いアジア諸国に対する政策と違って、対アフリカ政策は、これまでほとんど援助の枠内でのみ議論されてきた。そのうえで、欧米諸国はどうしているか、既存の政府開発援助(ODA)スキームでどうやってカバーするか、という視点から発想されることが多かった。最近では、資源外交でアフリカ攻勢に乗り出した中国にどう対抗するかという問いかけ方も目にするようになった。しかし、真に効果的な政策を立てるには、まずアフリカの状況をよく把握すべきだろう。政策の効果は、それが実施される場の「力学」に大きく左右されるからだ。

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