金養建党書記の国葬委序列では、27位の柳美英(リュ・ミヨン)天道教青友会中央委委員長までは崔龍海氏の復権と金養建氏の死亡以外は変化がなかった。

金養建国葬委の注目点

 興味深いのは金養建氏の国葬委の序列29位に登場した李萬建(リ・マンゴン)氏である。この序列29位からは党中央委の部長クラスが名を連ねているが、序列28位の李日煥(リ・イルファン)氏、序列30位の金萬成(キム・マンソン)氏も党部長であり、先に報告した通り、この時点で、平安北道党責任書記を務めていた李萬建氏が党部長に就任した可能性が高まった。李萬建氏は李乙雪元帥の国葬委では序列156位だったが、一挙に29位に浮上した。1月に報告したように、李萬建氏が第4回目の核実験を主導した党軍需工業部の部長に就任した可能性が高いとみられる。後任の金ヌンオ・平安北道党責任書記も57位にリストアップされた。また、李乙雪氏の国葬委で34位だった金春燮(キム・チュンソプ)党軍需担当書記の名前は金養建氏の国葬委にはなく、解任された可能性が高い。
 第4回核実験の準備を進めていた党の軍需工業部の部長が核実験直前に交代したことは、党内部で何らかの葛藤があったことを示唆するものだ。
 金養建氏の国葬委では、李乙雪元帥の国葬委には名を連ねた金英春(キム・ヨンチュン)元人民武力部長、金正覚(キム・ジョンガク)金日成軍事総合大学総長、李河一(リ・ハイル)次帥などの金正日時代の軍幹部は姿を消した。このほか、尹正麟(ユン・ジョンリン)軍護衛司令官、金明国(キム・ミョングク)、呂チュンソク、李明秀(リ・ミョンス)各大将、崔慶星(チェ・ギョンソン)党中央軍事委員、李テチョル人民保安部第1副部長、韓光相(ハン・グァンサン)前党財政経理部長、張正男(チャン・ジョンナム)第5軍団長などの名前がなかった。
 李乙雪元帥の国葬委に名前がないのに、今回、国葬委に名前が出たのは金完洙(キム・ワンス)祖国統一民主主義戦線中央委議長兼書記局長、金震国(キム・ジングク)海外同胞事業局長、朴鎮植(パク・ジンシク)統一新報主筆らがいるが、これは党統一戦線部の関係者で、故人との関係を重視したともみえる。

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