小保方晴子氏の帰国後、当時、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)副センター長だった笹井芳樹氏は、彼女の研究に関心を抱きました。小保方氏がバカンティ研究室での研究データを説明したとき、笹井氏は、自分の指導で論文をまとめれば『ネイチャー』に掲載されることを確信したという趣旨のことを騒動の際の会見などで述べています。米高級誌『ザ・ニューヨーカー(THE NEW YORKER)』の記事の中で、筆者のダナ・グッドイヤー記者は、もしこの発見でノーベル賞が受賞できなくても、莫大な富をもたらすであろうことまで笹井氏は考えたのではないかと推察しています。

 またニューヨーカー誌の記事では、笹井氏について、独ヨハネス・グーテンベルク大学マインツの著名な生物学者であるクリストフ・ニーアス氏がグッドイヤー記者に、「私たちの分野に、彼のようにゲーテについての議論ができる人物はそれほどいません。彼の語り口は見事で、すべてにおいて完璧主義者でした」と語っています。また、笹井氏の友人で同僚でもあったケン・チョー氏は、「彼は、科学をどのように推し進めるべきかをよく理解していました。彼には第6感がありました」と語っています。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。