間もなく本選挙キャンペーンの幕が開く(C)AFP=時事

 

 共和党は7月18日からオハイオ州クリーブランドで、民主党は1週間後の7月25日からペンシルベニア州フィラデルフィアでそれぞれ全国党大会を開催する。共和党は実業家のドナルド・トランプ氏を、民主党は前国務長官のヒラリー・クリントン氏をそれぞれ正式に党の大統領候補に指名する。その直前には、両候補ともホワイトハウスをともに目指す副大統領候補を指名することになっており、大統領選挙は本選挙キャンペーンに向けて大きな山場を迎えることになる。

 本選挙の投票日は11月8日となっており、まだ4カ月もある。両候補の支持率に一喜一憂する局面もあるであろうが、折々の世論調査結果にその都度反応して論評するよりも、近年の大統領選挙を振り返り、どのような政治傾向が明らかになっているのかについても留意しつつ本選挙の動向をフォローすることが重要だ。

 筆者は中南米を経て6月下旬から7月初旬までの12日間、ニューヨークとワシントンで元政府高官やシンクタンクの米国政治の専門家らと大統領選挙、連邦議員選挙などについて意見交換を重ねてきた。印象的だったのは、共和党関係者や支持者は誰1人としてトランプ氏が勝利できるとは考えておらず、その敗北の複数の理由もほぼ一致していた点である。

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