マレーシアのアブドラ首相が四月六日の会見で「ナジブ副首相を自分の後継者とみなしている」と明言、この時期に後継を指名した真意をめぐって憶測が飛び交っている。 アブドラ首相とナジブ副首相はマハティール前首相時代はともに次期首相候補としてライバル関係にあった。ナジブ氏は国防相などの要職を務めたが、マハティール氏が後年切り捨てたアンワル元副首相と近かったことから後継レースから脱落。だが、軍への影響力が強く、無視できない存在であるため、アブドラ首相も副首相兼国防相という要職で遇してこざるを得なかった。 今年三月の総選挙では連立与党第一党の統一マレー国民組織が歴史的敗北を喫し、マハティール氏がアブドラ首相の引責辞任を要求。アンワル氏も政治的影響力を復活させてきたことを背景に、マハティール、アンワルいずれかの陣営にナジブ氏が取り込まれるのを防ぐためこの時期の「後継指名」になったとの見方が出ている。

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